概況
8月26日の米国市場は、引け後に控えたエヌビディアの決算を前に動きにくい一日となった。S&P500は7676.31とほぼ横ばい、ナスダック総合は小幅安、ダウは113ドル安と、いずれも方向感を欠く展開である。AI関連の設備投資サイクルが依然として相場全体の駆動力になっている以上、単一銘柄の四半期見通しが指数の行方を左右する構図は変わっておらず、その結果が出るまでポジションを傾けにくいという投資家心理がそのまま値動きに表れた格好だ。
一方で、商品市況ははっきりとした方向を示した。WTI原油は3営業日続落して81.94ドル。イランとオマーンによるホルムズ海峡の暫定共同海上回廊をめぐる協議報道と、想定より限定的だった対イラン制裁が重なり、夏場に積み上がった地政学プレミアムが剥落した。もっとも海峡の通航量は正常化しておらず、需給の緩みではなくリスク織り込みの後退が主因である点は区別して見る必要がある。金が4649ドルと堅調を維持しているのも、地政学の完全な収束を市場が織り込んでいないことの傍証と言える。
為替はドル円が159.35円と円安方向にじりじりと水準を切り上げ、ユーロドルは1.1656ドルへ小幅下落した。ドル全面高というより、金利先高観の後退を巡る綱引きが続いている状況である。27日から始まるジャクソンホール会議、とりわけ28日に予定されるウォーシュFRB議長の就任後初の基調講演は、9月FOMCを3週間後に控えたタイミングであり、週後半にかけての最大の変動要因となる。