概況
8月30日は日曜日のため主要市場はいずれも休場で、掲載している数値は8月28日(金)の引け値です。新規の値動きはありませんが、週明けに持ち越された材料は多く、方向感を決める材料が週前半に集中しています。
先週末の相場を決めたのは、ウォーシュFRB議長にとって初めてとなるジャクソンホール講演でした。議長はこの夏のPCEやCPIが予想より良い数字だったことを認めつつ、インフレの基調的なトレンドが意味のある形で改善したとは読み取れないと述べ、金融政策にはまだやるべきことが残っているとの認識を示しました。9月のFOMCでの利上げを明言したわけではありませんが、前日まで市場が寄りかかっていた「利上げ観測の後退」というシナリオが否定された格好です。反応は株よりも為替と金にはっきり出て、ドル円は160円台に乗せ、金は4,500ドル台へ大きく水準を切り下げました。S&P500とナスダック総合は小幅安、NYダウはほぼ横ばいで、株式は金利の織り込み直しを比較的静かに消化しています。
週明け最大のイベントは、8月31日から9月1日に米ノースカロライナ州で開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議です。これに合わせて片山財務相とベッセント米財務長官が会談し、為替が議題になると報じられています。7月31日の日米協調介入は協調としては2011年以来、日本の円買いとしては1998年以来という重い一手でしたが、金利差という構造要因が変わらないため為替水準は介入前に近いところまで戻ってしまいました。会議から出てくる文言の強さが、160円台をこのまま許容するのか、それとも次の一手を警戒させるのかを分ける材料になります。
米国の経済指標は31日こそシカゴPMIとダラス連銀製造業活動指数という軽めの内容ですが、9月1日のISM製造業とJOLTS、2日のADP雇用とベージュブック、3日のISMサービスと続き、4日の8月雇用統計で山場を迎えます。事前予想は非農業部門雇用者数が5.8万人増、失業率4.1%で、7月の2.3万人減からの持ち直しが見込まれています。インフレ警戒が再燃した直後だけに、労働市場が強ければ引き締め継続観測を後押しし、弱ければ景気減速懸念が前に出るという、どちらに転んでも株にとって扱いにくい構図です。企業決算では9月2日のブロードコムが、AI関連物色の持続力を測る指標として注目されます。