概況
9月3日(木)は、日米で金融政策の方向感の違いがはっきりと相場に表れた一日でした。日本では日銀が9月17〜18日の会合で政策金利を0.25%引き上げ1.25%とする方向で調整に入ったと報じられ、ドル円は158円台から155円台へ1日で3円を超える円高となりました。8月上旬以来、およそ1カ月ぶりの水準です。前日の高田審議委員による「連続利上げもあり得る」との発言に続く形で、市場が想定していた「半年に1回」というペースが前倒しされる可能性が一段と現実味を帯びました。日経平均は111円16銭安の64,214円48銭と4日続落。朝方は前日の米国株高を映して399円高で始まりましたが、午後に韓国株が軟化するとつれ安し、上げ幅を失っています。
対照的に米国市場は堅調でした。前日に2023年11月以来となる4.8%台を試した10年債利回りが4.7%台半ばまで低下し、S&P500は1.06%高、NASDAQ総合は1.40%高、NYダウは1.18%高とそろって大幅に上昇しました。8月のISM非製造業景況指数は55.4と前月から1.3ポイント改善して26カ月連続の拡大となり、新規受注も60.9へ加速。週間の新規失業保険申請は20.6万件と低水準を保っており、景気の底堅さと金利低下が同時に成立する、株式にとって最も居心地のよい組み合わせが実現しました。ブロードコムは第3四半期でAI関連売上高が3倍超に伸びて市場予想を上回ったものの、次四半期の売上高ガイダンスが予想にわずかに届かず売られており、AI関連への期待値の高さもうかがえます。
もっとも、楽観だけで説明できる相場ではありません。金は3.66%高の4,526ドルへ急伸しました。トランプ大統領がイランへの「非常に激しい攻撃」を実施したとしつつ「長くはかからない」と述べたことで、緊張の短期収束期待が広がったと伝えられていますが、株高と金高が同時に進む状態は、投資家がなお有事とインフレの両方に備えていることを示唆します。WTIは91.58ドルと90ドル台で高止まりし、ISMの価格指数は72.6と2022年半ば以来の高さです。金利低下の持続性は、日本時間4日夜に発表される8月の米雇用統計に委ねられました。