概況
9月4日(金)の米国市場は、8月の雇用統計をきっかけに主要3指数がそろって反落しました。非農業部門雇用者数は前月比16.2万人増と、5.3万人増程度だった市場予想の3倍に達する強さでした。失業率は4.1%で横ばい、平均時給は前月比0.3%と予想どおりで、前月に雇用者数が減少していたことを踏まえれば、労働市場の底堅さを確認する内容だったと言えます。
問題は、この強さが金融政策の思惑を一変させた点です。10年債利回りは約3bp上昇して4.79%となり、2年債利回りは2025年1月以来の高水準を付けました。CMEのFedWatchでは9月15〜16日のFOMCにおける0.25%利上げの確率が前日比約9ポイント上昇して58%へ切り上がっています。景気が強いことが金利上昇を通じて株式の重荷になる、典型的な「good news is bad news」の局面です。結果としてS&P500は0.38%安の7,718.60、NASDAQ総合は0.29%安の26,506.99、NYダウは0.51%安の53,414.25で引けました。ただ下げ幅そのものは限定的で、売り一巡というよりは利上げシナリオを織り込み直す過程での調整と見るのが妥当でしょう。
一方の東京市場では、日経平均が806円46銭高の65,020円94銭と5日ぶりに反発しました。前日の米国株高を映してAI・半導体関連が買われ、一時は1,000円近い上げ幅を記録しています。もっとも急速な円高を嫌気して自動車株などが売られたため、TOPIXは小幅高にとどまり、指数の見た目ほど中身は強くありませんでした。ドル円は155.93円と小幅にドル高方向へ戻し、前週の急激な円高は一服しています。コモディティでは金が0.34%安の4,476.6ドル、WTI原油が0.20%高の91.48ドルと、原油の90ドル台での高止まりが続いています。
なお、本日9月7日(月)の米国株式・債券市場はレーバーデーの祝日で休場です。FOMCのブラックアウト期間も9月5日から始まっており、当面はFRB高官の発言による軌道修正が期待できません。次の焦点は10日の8月PPI、11日の8月CPIという、FOMC直前の物価指標に移ります。