概況
8日の米国市場は主要3指数がそろって下落しました。NYダウは620.13ドル安の52,794.12ドル(-1.16%)と、S&P500の-0.58%、NASDAQ総合の-0.32%を明確に上回る下げです。指数間の差がそのまま、この日の相場材料を示しています。
下げの直接の引き金は二つあります。第一に、カナダの報復関税がこの日発効しました。乳製品・鉄鋼・木材などおよそ200億ドル分の米国製品に15〜50%の関税が課されるもので、8月下旬に米国が発表したカナダ製品への50%関税に対する報復措置です。第二に原油高で、WTIは2.07%高の93.37ドルと約3カ月ぶりの水準、北海ブレントも98ドル台と6週間ぶりの高値を付けました。米国がホルムズ海峡でイランのタンカーを攻撃し、イラン側も報復を主張、さらにサウジアラビアのエネルギー施設が攻撃を受けたと伝わったことが背景にあります。関税とエネルギーはいずれもコスト増として実体経済に効く材料であり、製造業・素材の比重が高いダウが相対的に売られたのは自然な反応でした。
金利も株式の重しです。10年債利回りは約3年ぶりの高水準となる4.77%前後で高止まりしており、9月4日の強い8月雇用統計以降、来週のFOMCでの利上げを織り込む動きが続いています。この局面での原油高は、インフレ再燃観測を通じて金利上昇圧力をさらに強める方向に働きます。金は4,410ドル台と小幅安で、地政学リスクの高まりにもかかわらず、利上げ観測と実質金利の上昇が上値を抑えた格好です。
東京市場では日経平均が1,130円51銭安の65,269円33銭と3日ぶりに反落しました。ドル円が153円台後半と約半年ぶりの円高水準にあることで輸出関連が売られ、中東情勢の不透明感も重なった形です。前日7日の1,378円高が半導体2銘柄に依存した偏った上昇だっただけに、その反動も出やすい地合いでした。9日の米国市場はADP週次雇用指数、EIA短期エネルギー見通し、10年債入札と比較的軽い日程で、本番は10日のPPIと同日引け後のオラクル決算、そして11日のCPIです。