概況
9日の米国市場は主要3指数がそろって続落しました。S&P500は0.47%安の7,637.16、NASDAQ総合は0.63%安の26,255.10、NYダウは0.74%安の52,393.65です。前日に続く下げですが、材料の組み合わせは入れ替わりました。
第一の重しは原油です。北海ブレントは節目の100ドルを超え、7月以来の高値を付けました。WTIも3.87%高の96.63ドルと上昇幅を広げています。米軍が8日に米海軍艦艇への攻撃未遂への報復としてイランの原油タンカー5隻を破壊したと伝わり、ホルムズ海峡を巡る応酬が実際の原油輸送に及び始めたとの見方が広がりました。ゴールドマン・サックスは、湾岸の生産が戦前比で日量400万バレル低い状態が続けばブレントが2027年に120ドルを超え得ると指摘しており、市場は一時的な地政学プレミアムではなく供給構造の問題として捉え直し始めています。
第二の重しは金利です。米財務省は9日午前11時(ET)、残存10〜20年債を60億ドル買い戻すオペを発表しました。長期金利を押し下げる意図でしたが、市場はそれ以上の規模を織り込んでいたため期待外れと受け止められ、10年債利回りは一時4.85%と2023年11月以来の水準へ、20年・30年債利回りも一時5.3%台へ上昇しています。政策当局が金利を下げようとした発表で金利が上がったという構図は、需給操作の限界を市場が試している局面と読めます。
その中で逆行高となったのがメタで、一時7.2%高、正午時点でも6.5%高となりました。同社が「誰もが使える初の個人向けAIエージェント」と位置づける「Muse」を発表し、メール送信や予約代行といった実行型の機能に対して、みずほ証券やKeyBancなどが強気の評価を示したためです。金は1.17%高の4,445.30ドルと、地政学リスクを受けて買われました。東京市場では日経平均が126円55銭安の65,142円78銭と小幅続落。原油高への警戒で上値が重い一方、電線株への物色が下値を支えました。10日は寄り前に8月PPI、引け後にオラクル決算、翌11日に8月CPIと、来週のFOMCに向けた重い日程が続きます。