概況
10日の米国市場は主要3指数がそろって4営業日続落しました。S&P500は0.58%安の7,592.20、NASDAQ総合は0.65%安の26,083.95、NYダウは0.60%安の52,064.92です。
きっかけは朝方の8月PPIでした。前月比0.4%は予想どおりだったものの、前年比は7月の4.8%から5.4%へ加速し、コアも4.3%から4.6%へ切り上がりました。エネルギー高が生産者段階の物価に効き始めたことが数字で確認された形で、市場の反応は金利に集中します。米10年債利回りは2023年7月以来となる4.92%台、30年債は5.34%まで上昇し、CMEのFedWatchが示す来週FOMCでの利上げ確率は発表前の62%から約70%へ跳ね上がりました。利下げ期待ではなく利上げを織り込む金利環境は、高PER銘柄の評価を直接的に押し下げます。
その物価加速の源である原油は、同日さらに上昇しました。WTIは6.91%高の102.69ドルと100ドル台を回復し、北海ブレントは一時107ドルを超えています。ホルムズ海峡の原油フローが細ったままタンカーやサウジ関連施設への攻撃が増え、中国の買い付け増加が現物需給をさらに締めました。イランは米海軍の封鎖への抵抗姿勢を崩さず、紛争の長期化が前提として織り込まれ始めています。
金は1.16%安の4,364.60ドルと下落しました。地政学リスクが高まる局面での下げですが、PPI後の名目金利上昇とドル高が、利息を生まない資産にとっての機会費用を押し上げた結果です。ドル円は0.5%円安の154.34円。東京市場では日経平均が128円17銭高の65,270円95銭と小幅反発しましたが、一時950円近く下げてからの高値引けであり、地合いの強さというより需給の巻き戻しに近い値動きでした。11日夜には8月CPIが控え、来週のFOMCに向けた最後の物価指標となります。